従業員の声で広報活動!新戦略Employee Advocacyを知る

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ビジネスヒント

これまでのビジネスの中で、従業員が社会に対して自身が所属する企業のことをどのように表現し、伝えるかはあまり重視されてこなかったかもしれません。というより、むしろそういったことを私的に発信することは基本的に避けられてきた傾向にあると思います。しかし、現代のデジタル社会では、従業員がどのように自社のブランドを表現し、その価値を伝えるかが、ビジネスの成功を左右する重要な要素となりつつあります。この考え方から現在、「Employee Advocacy(日本語では従業員アドボカシー、従業員の主張・発信、従業員擁護などと訳されるようです)」と呼ばれる企業活動が注目されはじめています。

今回の記事では、Employee Advocacyがなぜ今注目されているのか、どのような効果が期待できるのか、そしてEmployee Advocacyを成功させるためには何が必要なのかを詳しく解説します。

Employee Advocacyとは何か

Employee Advocacyは、従業員が自社のミッションやビジョン、ブランドを支持し、その価値を自ら広める行為を指します。主にSNSを通じて会社の活動やニュースをシェアしたり、業界のトレンドについてコメントしたり、企業の価値観を表現したりすることが一般的な形態です。この活動は、従業員が自分の所属する企業に誇りを持ち、その価値を信じていることを示し、その結果、外部からの企業としての信頼性を高め、新たな顧客や求職者を引きつけることができます。

ウィンザー効果」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、Employee Advocacyはまさにこの効果をうまく活用した、デジタル社会ならではの企業活動と言えます。

ウィンザー効果とは、ある事柄について当事者が自ら発信するより情報よりも、他者を介して発信された情報の方が、信頼性を獲得しやすいとする心理効果です。

例えば、A社が自社のサービスや商品情報を発信する場合において、A社が自ら発信する情報よりも、口コミやレビューといったユーザーである第三者が発信する情報の方が、信頼性を獲得しやすい傾向にあります。

※引用元:ウィンザー効果 – 一般社団法人日本経営心理士協会

Employee Advocacyが今注目されている理由

2023年になってEmployee Advocacyが注目を浴びているのは、AIをはじめとしたテクノロジーの進化、SNSの台頭、消費者の情報志向の変化、そしてパンデミックによる労働市場の変動という背景がそれぞれ重なった結果です。

特にテクノロジーとSNSの発展により、社員が自身のネットワークに企業の情報を容易に共有できるようになりました。また、多くのユーザーは、企業から発信されるようなビジネスの雰囲気を感じる情報よりも、実際の人間からの生の情報(口コミ等)を求める傾向が強まっており、このようなユーザーらに対して社員が一個人として発信する情報は高い信頼性と説得力を持つと考えられています。

Employee Advocacyがもたらす効果

広告費用の削減

まず1つ目は、広告費用の削減です。従業員自身が自社の製品やサービスについてSNSなどでポジティブなメッセージを発信することで、そのメッセージが自然に広がっていきます。つまり、従業員一人ひとりが自社の「広告塔」となり、それぞれのネットワークを通じて自社の製品やサービスへの認知を広めていくのです。このような形で従業員が自発的に広告活動を行うことで、広告にかかる費用を実質的に削減することが可能になります。

信頼性の強化・価値観の訴求

2つ目の利点は企業の信頼性の強化です。前述の通り、顧客や求職者は従業員が個人的に企業に関連する情報発信をしているのを見ると、その企業への信頼性が強化されます。

さらに、今日のSNSユーザー、特にZ世代のユーザーは、企業への信頼性だけでなく、その企業の中核となる価値観(コアバリュー)を強く重視する傾向があります。彼らは職を選ぶ際だけでなく、商品やサービスにいたるまで、選択の際には自分の価値観とその企業の価値観がマッチするかどうかを重要な判断基準として用います。従業員が企業の価値観を反映したコンテンツを発信することで、そのような欲求を持つユーザー層に更なる影響を与えることができます。

SEOの改善

3つ目の効果は、SEOの改善です。SNSをフィールドとして行われるEmployee Advocacyと、Webサイトの検索順位改善を目的とするSEOとでは、一見関係が無いように思えますが、Employee AdvocacyはSEOに対して間接的に大きく影響を及ぼします。

Googleが、Webサイトの品質を評価するために、「経験、専門性、権威性、信頼性」(E-E-A-T)という評価指標を用いることは有名ですが、従業員が企業に関する情報をWeb上に発信し続けることで、その企業に対するこれらの評価は大きく向上します。つまり、Employee Advocacyは「Webサイトの外側からWebサイトの評価を上げる」という役割を果たしてくれるということです。

従業員のエンゲージメントの向上

最後に、Employee Advocacyの重要な利点として挙げられるのが、従業員のエンゲージメントの向上です。ここでいう「エンゲージメント」とは「従業員が自分の仕事に対して高いやる気を持ち、主体的に職務を遂行する状態」を指します。エンゲージメントの高い従業員は、企業の目標に対して自発的に行動し、組織全体のパフォーマンス向上に貢献します。

Employee Advocacyは、従業員自身が自社のブランドや製品などをSNSなどで宣伝する行為ですが、この行為自体が従業員のエンゲージメントを向上させる一助となります。なぜなら、従業員が自社の製品やサービスを誇りを持って広めることは、その製品やサービスに対する理解と、自社への所属感・一体感を深める効果があるからです。

Employee Advocacyを成功させるために必要なこと

Employee Advocacyを成功させるために最も重要なのは「従業員が自社のブランドや製品に自信と誇りを持つこと」です。これは一夜にして達成できるものではなく、経営陣と従業員が一緒に取り組むべき事項であり、根本的な組織文化の醸成が求められます。

まずは、企業のビジョンや価値を明確に伝えることが必要です。具体的には、ビジョンやミッションを定義し、それを全社員と共有することから始めるべきです。それが企業の行動指針となり、従業員が仕事に対する意識を高める助けとなります。

もちろん、労働条件や福利厚生を見直し続け、働きやすい環境を提供することも重要です。働きがいのある職場環境を作り上げることで、従業員は自社を誇りに思い、それが自然とポジティブな情報発信につながります。

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本記事では、Employee Advocacyの導入がもたらす数々の利益について詳しく説明しました。Employee Advocacyは、従業員が自社の認知を広め、信頼性を高める役割を果たします。さらに、広告費用の削減、SEOの改善、そして従業員のエンゲージメント向上など、多くの効果を企業にもたらすことが可能です。

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