ナレッジベース(マニュアルサイト)で「日常業務に追われて改善できない問題」を打開!

伊藤彩乃

アカウントマネージャー
伊藤 彩乃

ビジネスヒント

こんにちは、営業課の伊藤です。

お客様、特に総務のご担当者様とお話ししていてよくぶち当たる壁の一つが、「日々の業務で手一杯で、新しいことや改善業務に取り組む時間がない・人手がない」という問題です。
「人手不足のため業務効率化に取り組みたい気持ちはある…」
「自動化できそうな業務があるのは分かっている…」
「だけど、その検討に回す時間がなく、とりあえず現状維持を続けてしまっている…」
——同じような状況の方、多いのではないでしょうか。これは多くの企業・団体で共通する課題です。

今回は、そんな事態を打開する一つの解決策をご紹介したいと思います。

データで見る「時間ロス」の実態

情報を探す・同僚に聞くという行動だけで、私たちはかなりの時間を費やしています。アサナジャパン社が今年4月に日本国内のナレッジワーカーを対象に実施した調査で、以下のような結果が明らかになりました。

  • ナレッジワーカーは、一日3時間を必要な情報を探すために浪費。
  • 同僚からの質問対応:週12時間
  • 44%が、緊急でないタスクや依頼で日常的に仕事を中断されると回答。
  • 日本の労働者のわずか9%が、「自分の組織ではチーム間で情報やアイデアが迅速に伝達されている」と回答。

(出典:Asana、「AIと働き方の現在地:2025年の日本」を発表 | Asana Japan 株式会社のプレスリリース
思った以上に多くの時間が、情報を探したり説明したりに費やされていることが分かります。総務のご担当者様が疲弊してしまう状況も納得です。この時間が少しでも削減できれば、聞く側にとっても聞かれる側にとってもメリットが大きいですね。業務改善や新しい施策に使える時間も大きく増えるはずです。

解決策としての「ナレッジベース」と実例

この課題を解決する方法のひとつが、「ナレッジベース」です。
ナレッジベースとは、社内に散らばった情報やノウハウを一元管理し、社員が簡単に検索・閲覧できるようにしたデータベースのこと。「社内向けマニュアルサイト」と言い換えたほうが分かりやすいかもしれません。

例えば、当部門では部内専用でこういったマニュアルサイトを立ち上げています。

某検索エンジンを彷彿とさせるインターフェースですが(笑)、とにかく日々の業務で発生する「こういうときってどうしてたっけ?」「たまに発生するあれってどう処理するんだっけ?」「こういうときの必要書類どこかにまとめてなかったっけ?」などなど有象無象の「?」に対応すべく、その検索に特化しています。フリーワード検索・タグ検索・新着記事・人気記事から探すことができ、さらにブックマーク機能もついています。

部内限定というのがミソで、あまりがちがちのルール化はせず、「みんなで投稿してみんなでブラッシュアップしていく」という方針でやっています。もちろん更新履歴が残るので、万が一おかしな記事があれば編集した本人に注意することもできます(そんなことは起きていませんが)。

誰かに何かを聞かれても、「マニュアルにまとまってます」と答えれば2秒で解決です。(このマニュアルサイトがない時代は、一緒になって思い出そうとするところから始まっていました…。)聞いたほうも、迷惑顔でたらい回しにされることもなく、間違ったことを教えられて時間を浪費することもなく、最短経路で処理ができます。

また、こちらは弊社がクライアントに納品したマニュアルサイトの例です。

こちらはフリーワード検索のほか「経営戦略」「工事管理ガイドブック」という2つの入口が用意されており、それぞれ階層を深堀していくことができます。目次や章立てがきちんとある紙のマニュアルにより近いと言えます。「この工程の手順を体系的にまとめる」といった目的であれば、先ほどの検索エンジン型より、こちらの階層型の作りのほうが適しているでしょう。

どちらであっても、以下のような情報をまとめられて、以下のような効果が期待できます。

ナレッジベース(マニュアルサイト)の記事例

  • 業務手順(テキスト・画像・動画・リンク・PDF等も可能)
  • よくある質問
  • 社内ルールや申請フロー
  • 過去案件の事例(成功事例・失敗事例)や対応履歴

期待される効果

  • 必要な情報を探す時間が短縮
  • 同僚に何度も聞かれる負担が減少
  • 新人や異動者の教育コストを削減
  • 属人化していた業務の共有が可能

ナレッジベースってどうやって作る?

ナレッジベースを作る方法は大きく2つあります。
①SaaS型の専用サービスを利用する方法②自前で構築する方法です。

※その他のツール(Googleスプレッドシート、チャットツール等)で代用するという方法もあります。ここでは割愛しますが、カオス化しやすい・検索性に欠けるというデメリットがある点を指摘しておきます。

①SaaS型の専用サービスを利用する方法

「ナレッジ共有ツール」「ナレッジマネジメントツール」「ナレッジベース」等で検索するとたくさん出てきます。SaaS型ですので、初期費用を抑えられるメリットがあります(初期費用が必要なツールもあります)。一般的に必要とされる機能がひと通り揃っていますし、メンテナンスは運営会社にお任せ。アップデートにより機能が追加されていく可能性もあります。

反対にデメリットとしては、

  • 利用人数に応じて利用料金も増える
  • 自社独自仕様やカスタマイズに不向き
  • データは外部クラウド依存(停止リスク/移行時の負荷)

という点が挙げられます。

②自前で構築する方法

社内に技術者がいれば、社内Wikiを使って構築する方法があります。ただし、属人化しやすい・時間を割けず後回しになりがちという点には注意が必要です。
そこでおすすめなのが、既に導入しているCMS(サイト管理システム)を活用すること。実は、先ほど紹介した2つのマニュアルサイトはどちらもCMSの一種・WordPressで構築しています。
WordPressを既に導入している企業なら、同じものを使えば構築費用だけで済み、基本的に維持費用はほとんど変わりません(保守契約内容によります)。長期的に見れば、SaaSよりもランニングコストを抑えやすいというメリットがあります。また、ナレッジの投稿や編集をサイト更新と同様の手順で行えるため、更新のハードルが低く、「高い専用ツールを導入したのに使いこなせていない…」というありがちなリスクを避けることができます。
また、前述したSaaS型専用サービスのデメリットも次のとおり回避できます。

  • 利用人数が増えても利用料金はかからない
  • 自社独自仕様やカスタマイズが可能
  • データが自社所有できる

以上のことから、WordPressを導入済みかつSaaS型に抵抗がある企業の場合、WordPressでのナレッジベース構築を第一の選択肢とするのがよいでしょう。

ざっくりの導入ステップ(弊社にご相談いただいた場合)

  1. ヒアリング・ご提案
    現在のお悩み、既にある手順書・資料類、社員様のITスキル、貴社特有の事情などなど広くお伺いしたうえで、貴社にとって最適なナレッジ活用のあり方や運用方法をプランニングし、ご提案します。ご希望に応じてデザイン案もご用意させていただきます。(ご提案は無料です。)

  2. 設計・デザイン
    ご発注いただいた後、改めてどのような検索方法・掲載方法が貴社にとって最適かを検討しながら、主要ページのデザイン案を作成します。貴社からのフィードバックを経てブラッシュアップしていきます。

  3. 構築
    デザイン案のご承認後、仮サイト(実際に動く非公開サイト)を構築していきます。実際の使用感を確かめていただきながら、修正を重ねていきます。

  4. 公開・更新方法レクチャー・運用スタート
    仮サイトのご承認後、動作検証を経て公開します(社内限定公開も一般公開も可能)。公開後1ヶ月間は微調整も対応しますので、気になる点があれば何なりとご相談ください。
    ナレッジを自社で更新していく場合は、公開後、社員様向けに更新方法の講習会も実施させていただきます。
    また、サイト内にアクセス解析ツールを設置しますので、実際どのくらい使われているか、どのようなナレッジの需要が高いか、改善すべき点はどこかなど、運用フェーズに入っても安心してご相談ください。

より詳しい導入手順や、活用シーン、主な機能についてはこちらのページをご覧ください。

マニュアルサイト制作サービスの詳細を見る

まとめ

日常業務に追われて余裕が持てないのは、「情報が整理されていない」ことが原因の一つかもしれません。各社員の頭の中にあるナレッジを言語化し共有することで、毎日の業務が楽になってくるでしょう。
そして、改善や新しい挑戦に充てる時間を作り出すことができます。

「社内の情報共有を改善したい」「改善のための時間を生み出したい」とお考えの方、ナレッジベース(マニュアルサイト)の導入をぜひ一度検討されてみてはいかがでしょうか。

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伊藤彩乃

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伊藤 彩乃

クライアントからの要望と制作チームからの技術的提案の双方を広く理解し、最適解を見つけていく現実的なバランサー。丁寧かつポジティブなコミュニケーションでクライアントとの信頼関係を築く。

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