Webサイトへのチャットボット導入のメリットと活用法

中山美里

UIデザイナー
中山 美里

ビジネスヒント

近年のAI技術の進展、特に深層学習の普及により、チャットボットはキーワードマッチング型だけではなく、文脈を理解しユーザーのニーズや感情にも対応できる高度な対話能力を持つ型まで様々な種類のものが開発されています。
このような技術進化によって、多様な業界・業務においての業務プロセスの最適化が実現されています。
この記事では、そんなチャットボットをWebサイトに導入し適切に利用することで、どのようなメリットや活用方法があるのかをご紹介します。

チャットボットとは

英語の「おしゃべりする」という意味の「チャット」(chat)と、自動的に動作する機械やプログラムを指す「ロボット」(robot)の組み合わせから生まれた造語です。
「チャットボット」は、自然言語処理技術を活用して、ユーザーとテキストベースでの対話を実現するデジタルツールです。企業や組織は、カスタマーサポートの効率化、業務の自動化、顧客エンゲージメントの強化などの目的でチャットボットを導入しています。

チャットボットの分類と特徴

先述のとおり、近年AI技術における深層学習の普及によりチャットボットにはいくつかの型が存在しています。どの型のチャットボットを運用していったらいいか迷う方も多いと思うので、チャットボットの大まかな分類と特徴をご説明します。

1.スクリプトベース

事前に設定したシナリオやルールに基づいて動作する型です。このボットは、特定の質問と答えがペアで動作し、ユーザーからの特定の入力に対して、予め設定された返答をします。これは設定が比較的シンプルで、特定のタスクやシンプルな対話に非常に効果的ですが、ユーザーの未知の質問や柔軟な対話には対応出来ないというデメリットがあります。

2.知識ベース

特定のデータベースや情報源に基づいて回答を生成する型です。例えば、企業のFAQをもとにユーザーの質問に答えるような形です。このボットは、その知識ベースに含まれる情報に関する質問にスクリプトベースよりも詳しく回答をすることができます。

3.機械学習・AIベース

この型は知識ベースに似ていますが、与えられたデータを元に学習して、より自然な対話を目指す型です。これは深層学習や自然言語処理技術に基づき、ユーザーとの対話を通じてその反応を学習し、時間とともにその対応を改善していきます。このタイプのボットを効果的に動作させるためには、多量のデータとトレーニングが必要なので学習コストがかかることを覚悟しておかなければなりません。

4.トランザクションベース

ユーザーが特定のアクションやトランザクション(取引)を完了するのを助ける目的のために作られています。(例:ホテルの予約や商品の購入をサポートするようなもの)

この他にも、スクリプトベースや知識ベースの特性に機械学習・AIベースの特性を組み合わせたハイブリッドタイプも存在します。特定のタスクには予め定義された応答を行いつつ、柔軟な対話も可能というまさにハイブリットなボットです。
比較的シンプルなスクリプトベースや知識ベースのチャットボットから始めて感触を確かめながら運用をしてみるのが一番安価で学習コストも抑えられるので初心者におすすめです。

チャットボット導入のメリットと活用法

特に中小企業においては、資源や予算が限られているため、効率化や自動化によるコスト削減は非常に価値があることです。チャットボットを適切に活用することで効果的なサービス提供や業務の効率化を実現し、競争力を高めることができます。活用方法についてご紹介します。

カスタマーサポートの自動化としての活用

チャットボットは、Webサイトを訪れるユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを取る手段として役立ちます。よくある質問への対応は、ボットが自動的に行うことができるため、オペレーターの手間と時間が大幅に節約されます。さらに、ボットは24時間365日稼働するため、夜間や休日でもユーザーからの問い合わせに対応することができ、顧客満足度の向上に貢献します。

リードの収集目的としての活用

Webサイトの訪問者がサービスや商品に興味を持った際、チャットボットを通じて基本的な情報(例:名前やメールアドレス)の収集がスムーズに行えます。また、ユーザーが特定の資料やカタログを求めている場合、ボットはその請求を自動的に処理し、関連情報を提供することができます。ボットを使用してユーザーの興味やニーズを探る質問を行うことで、最も適切な商品やサービスを推薦する手助けをすることも可能です。

社内業務トレーニングとしての活用

新入社員の研修やオンボーディングの際、チャットボットは基本的な業務ルールや社内の手続きに関する情報提供のサポートを果たします。頻繁に生じる業務関連の質問に対する答えをボットが提供することで、効率的な業務進行が期待できます。また、新しい業務ツールやシステムが導入された際には、ボットを利用してスタッフへのトレーニングやガイダンスを提供することも考えられます。

特性に応じた運用をご検討ください

このように、Webサイトにおけるチャットボットの導入は効率化やコスト削減の面で大きなメリットがあり、24時間365日のカスタマーサポートや、労働時間の削減、顧客満足度の向上、また新しいビジネスモデルや収益機会を探求する上で有力なツールとして活用出来ると考えられます。これらの技術的進展と利用シーンの多様性から、チャットボットは現代ビジネスにおいて不可欠なツールとして位置づけられ、その導入を検討する企業にとっての価値は計り知れないものとなっています。ご紹介してきたように、チャットボットはそれぞれの特性に応じた運用が考えられますので、自社ビジネスや事業内容に合わせたチャットボットの選定をおすすめいたします。

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この記事を書いた人

中山美里

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中山 美里

WebサイトのUIデザインを担当。企業サイトのほか、採用サイト、オウンドメディア、医療系サイトなどの幅広い経験を重ね、表現力と使いやすさの両面に配慮したデザインを実践する。

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