Webサイトを持ち続けるということ-保守・運用の必要性

橋本彩乃

テクニカルディレクター
橋本 彩乃

ビジネスヒント

お世話になっております。シアンスの橋本です。
今回はWebサイトの保守と運用についてお話していきます。

過去にWordPressアップデートの必要性あなたのビジネスを守るWebサイトのメンテナンスでプログラムやセキュリティ的な話をしてきました。今回は俯瞰的に、”Webサイトを持ち続ける”という大枠についてです。

作って終わりじゃないとはよく言ったものです

「作って終わりじゃない、スタートなんです。」この言い回し、見飽きましたよね。私も飽きています。でもまだまだこの事実をお伝えしなければいけないんです。

Webサイトは旧メディアと異なり、公開後に修正・更新できて費用対効果も検証ができることから新たな広報媒体として広く浸透してきました。しかし、使い続けるならば使い続けるなりのメンテンナンスが必要になってくるのです。例えば私たち人間も健康に生きていくためには風邪の予防のために健康的な食事と睡眠をとったり、虫歯予防のための毎日の歯磨きが欠かせません。

Webサイトを持ち続けるために必要なこととはなにか、確認していきましょう。

Webサイトの保守・運用とは

それぞれ言葉の意味から確認をしましょう。

保守

正常な状態などを保ち、それが損じないようにすること。

Webサイトの保守とは、Webサイトの正常な状態、つまり表示される、利用できる状態を維持することを指します。Webサイトのデータの維持はもちろんのこと、Webサイトデータを格納するサーバーやドメインの維持も含まれます。Webサイトを表示し続けることは当たり前のように感じると思いますが、意外と当たり前ではありません。契約更新漏れや最新端末やブラウザでの表示崩れ、サーバートラブルなどなど…様々な要因が存在しています。

また、正常な状態でないというのは表示されない等の損失だけでなく、誰かに損失を与えている加害者的な視点も含まれます。例えば、Webサイトを閲覧したことでウイルスに感染してしまうような場合です。閲覧者に損失を与え、自社のイメージを損なう状態は正常な状態ではありません。

今日まで大丈夫でも、明日はどうなるかわかりません。このような予防全般が保守といえます。

運用

そのもののもつ機能を生かして用いること

Webサイトですと、内容を更新できること、ページを増やせることなどが機能といえます。その機能を生かして情報を更新したり、ニュース記事を作成することが運用に該当します。GA4などの外部ツールと連携している場合はそれらの機能を活用することも運用といえますね。逆に、更新がされず最新情報が提供されていない、効果測定ができていないなど、機能を生かせていない場合は運用できていないといえます。

保守と比較すると、運用は守りより攻めのイメージといえます。

ここまでで保守と運用について整理しました。どちらも、Web以外の広報媒体では出てこない言葉ではないでしょうか。Webサイトは納品後に”正常な状態を保ち”、”機能を生かして用い”続けることが必要で、そこが特徴であり魅力です。ここが”作って終わりじゃない”ところですね。

なぜ保守・運用が必要なのか


このように、旧メディアとWebサイトでは情報伝達の手段として共通の目的を持ちながらも、運用と保守の面で大きく異なります。旧メディアは発信された時点で内容が固定・完成し、追加や変更が不可能になります。これに対し、Webサイトは情報の更新や改善がいつでも可能です。この根本的な違いは、Webサイトの保守と運用の重要性を理解する鍵となります。旧メディア、特に紙媒体とWebサイトを比較して、その必要性と重要性を確認していきます。

情報の即時性と更新性

紙媒体は印刷したら更新は不可能であり新しい版を印刷する必要があります。これに対して、Webサイトは情報をリアルタイムで更新できるため、常に最新の情報を発信することが可能です。この更新性は、特に変化が激しい業界やニュースサイトにおいて、読者や顧客からの信頼を獲得し維持する上で不可欠です。適切な保守と運用がなければ、このポテンシャルを活かすことはできません。

双方向性の強化

紙媒体は一方通行の情報伝達手段ですが、Webサイトは利用者との双方向のコミュニケーションが可能です。メールフォーム、SNSとの連携により、利用者からの直接的なフィードバックを受け取ることができ、顧客満足度向上や、商品・サービスの改善に役立たてることができます。そのためには、Webサイトの定期的な保守と効果的な運用が欠かせません。

アクセシビリティの確保

Webサイトは世界中どこからでもアクセス可能で、情報を広範囲に渡って共有できるアクセシビリティを持っています。このアクセシビリティを維持するためには、デバイスの多様化やブラウザの更新に対応し続ける必要があります。これにより、紙媒体では考えられないレベルのリーチを実現できますが、そのための適切な保守が必要になります。

データ分析

Webサイトは、アクセス解析ツールを用いて利用者の行動データを分析できます。利用者のWebサイト上の行動を分析することによって、Webサイトの改善やマーケティング施策に役立てることができます。データを収集するためには適切な保守と分析に基づいた運用が必要です。

セキュリティの保障

Webサイトは常にサイバー攻撃のリスクに晒されており、個人情報やプライバシーの保護や脆弱性への対応が重要です。これは紙媒体には存在していないWebサイト特有のリスクであり、訪問者の信頼を損なわず、安全な環境を提供するためには定期的な保守が必要不可欠です。

以上のように、動的な更新性、インタラクティビティ、広範囲のアクセシビリティ、そしてセキュリティの保障は、Webサイトの持つ最大の利点ですが、これらを維持し活用するためには継続的な保守・運用を実施できる専門的な知識と人員が必要です。

昨今のご相談を振り返って

ありがたいことに、Webサイトについてご相談いただくことが増えてきました。ここ数年は「初めて持ちたい」よりも「既存のWebサイトを見直したい」などのご相談が多いですね。Webサイトが普及したことを肌で感じます。その中でも一番多いご相談が「昔更新システム込みで作成したけどそれきり」状態のWebサイトです。閲覧自体は影響がないことが多いので、なんとなくそのままでも大丈夫な気がしてしまうんですよね。

しかし、人の手が入らない家がどんどん傷んでいくようにWebサイトもあちこちにヒビが入っていきます。その期間分を埋めるためのメンテナンス費用を算出すると、当時作った金額に近くなってしまうこともしばしば。Webサイト制作の考え方やサイバー空間の脅威も年々変わっており、必要な対策をとなると一筋縄でいかないことも多くなってきました。こういったご相談の経験があると、やはり定期的な保守の実施はおすすめしたいところです。定期的な保守を実施している方が結果的に費用が抑えられる場面はかなり多いのではと個人的には感じております。Webサイトをお持ちの場合は、ぜひ保守・運用についてもご検討してみてください!

シアンスの保守・運用サービスは下記からご確認いただけます。
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橋本彩乃

テクニカルディレクター

橋本 彩乃

開発チームのリーダーとして、システム開発の全プロセスに携わる。ユーザー側とシステム側、両視点からの設計・提案により、成果物の品質を確保する。ドメインやサーバーに関する知見も豊富。

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