ホームページ(Webサイト)制作費用、業者ごとに違いすぎ?安く抑えるには?
ビジネスヒント
こんにちは、営業課の伊藤と申します。今回は、お客様から聞かれることの多い質問
「ホームページ制作費用って、業者ごとに違いすぎない?どうして?」
「ホームページ制作費用を安く抑える方法ってあるの?」
についてお答えしていきます。
「ホームページ制作費用」でGoogle検索してみると、
「初期費用無料、月額〇円~」
「〇万円でホームページを作成」
「小規模だと10~150万円、中規模だと数十万円~500万円程度、大規模だと数百万円~数千万円以上かかる場合も」
などという文字が目に飛び込んできて、あまりの金額差に愕然としますよね。
安い業者と高い業者に発注して実際どうなのか比較できれば一番いいのですが…
そんなわけにはいかないので、金額が違うと何が違うのか、ざっくりご紹介したいと思います。
(以下、「ホームページ」は「Webサイト」と表記します。)
①フリーランスか、制作会社か、広告代理店か
フリーランス<制作会社<広告代理店
まず、分かりやすいところでは、フリーランス<制作会社<広告代理店の順に費用が高くなっていくのが一般的です。
フリーランスは個人事業主ですので、ざっくばらんに言ってしまえば、一人が食べていく分を稼げば事業を継続できます。業務に必要な設備も一人分で済みます。
一方、制作会社や広告代理店は、従業員規模が大きくなるに従ってオフィスを広くしたり、PCや各種ツールや営業車等を購入したり、福利厚生も整えたり…というように、人件費・設備費・光熱費その他もろもろの販管費が増えていきます。また、一つのサイトを作るのに、営業やディレクター、デザイナーやプログラマーといった専門人員がチームを編成して制作するため、情報共有や社内打ち合わせの工数が必要不可欠ですし、データ管理等のための各種ツールも必要になってきます。当然、一つのWebサイト制作のコストはフリーランスよりも高くなるわけです。
では、制作会社と広告代理店の違いは何かというと、制作会社はWebサイトの企画・制作・運用を専門とするのに対し、広告代理店はWebに限らずプロモーション全体を請け負うことができる点です。イベント企画からマスメディアへの露出、印刷物といったプロモーション活動の中にWebサイトも含まれるイメージです。Webサイトは広告代理店自身が制作するケースは少なく、制作会社やフリーランスに外注されることが多いため、Webサイト単体で発注する場合は割高になると言えます。
以上のことを踏まえ、また今までの私の経験も踏まえ、フリーランス・制作会社・広告代理店の主なメリットとデメリットを思いつくままに書き出してみました。
それぞれの主なメリット・デメリット
フリーランス
メリット |
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---|---|
デメリット |
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コミュニケーション面も技術面も優れたフリーランスに出会えれば、制作時のコストパフォーマンスは一番高いといえるでしょう。ただ、全てがその人個人に依存するため、長い目で見た時の事業継続性はどうしても懸念材料となります。デメリットに「連絡が取りづらくなる又は完全に取れなくなることがある」と書きましたが、実際そうなってしまったため助けを求めてお問い合わせいただいたケースが何度もありました。
制作会社
メリット |
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デメリット |
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シアンスはここに分類されます。正直言って様々な制作会社があるので、共通項を書き出すのはなかなか難しいですね…
広告代理店
メリット |
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---|---|
デメリット |
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広告代理店にプロモーションを依頼すると、Webサイト部分を制作会社(又はフリーランス)と連携して制作していきます。仮にWebサイト以外を広告代理店、Webサイトだけを制作会社に依頼すると、コンセプトを全ての媒体で合わせるための三者打ち合わせや、原稿・画像のやり取りが必要になってきますので、広告代理店にまとめて発注することで依頼主側が楽をできるのが一番のメリットでしょう。
上に挙げたのはあくまで一般論ですのでご了承ください。実際は、金額・提案力・依頼しやすさ・事業継続性・サポート力等の総合判断となりますので、一概にどこが良いと言えるものではありません。
ただ一つ言えるのは、依頼前に制作実績のチェックが重要ということ。デザイン・各コンテンツの内容・どんな分野の制作実績が多いかを見ることで、その業者の得意分野はどこか、自社の求めるクオリティを満たすかをある程度判断できます。
※シアンスの制作実績はこちら
②低価格の制作会社か、高価格の制作会社か
「フリーランス、制作会社、広告代理店の違いは何となく分かったけれど、制作会社だけの中で比べても金額差が大きいよね…」とお気づきの方もいらっしゃるでしょう。
一番簡単に言えば、「金額の違い=制作にかける時間の違い」となります。
既成のテンプレートにテキストと画像を流し込むだけのWebサイト制作と、要望を綿密にヒアリングし認識をすり合わせた上でデザインや構成を一から考えた完全オリジナルのWebサイト制作では、当然かかる時間=見積金額が全く違ってきます。
もう少し具体的なケースで考えてみましょう。
制作にかける時間の違い
例えば、制作会社に企業サイト開設を依頼して、既存の会社案内パンフレットに使っているテキストや画像データを全て渡したとします。一番早いのは、パンフレットの構成も画像もテキストもそのまま使ってWebサイトを作ることです。テンプレートを使って色味だけパンフレットに合わせれば、さらに早くできるでしょう。基本的に「早くできる=安くできる」ですから、見積金額も安くなります。
しかし、パンフレットをWebサイト化するという一見単純な依頼であっても、制作していく中で様々な疑問や葛藤が湧いてきます。
- この図表、細かいからスマホだと見づらいな、Web用に新しい図表に作り直したほうがいいけど…
- 「制作/製作」とか半角全角とか表記統一がされていないけどいいのかな…
- このデータ「平成〇年現在」って書いてあって明らかに古いな…
- この写真の解像度だと粗くなるな…でも写真がないと文字ばかりで見る気が起きないな…別の写真がないか依頼主に確認して、なければ素材サイトから適切な画像を探して購入したほうがいいな…
- パンフレットのデザインが企業ロゴと合っていない…Webサイトは別デザインにしたほうが企業イメージが良くなる気がする…
- パンフレットには載っていないけど、採用活動しているのか?しているなら情報載せたほうがいいんだけど…
- 取り扱い製品がパンフレットには一部しか載っていないけど、Webなら全部載せられるんだけど…というか製品絞り込み検索とかできたほうが利用者には便利?
- 待てよ、そもそもこのWebサイトの利用者って誰?取引先?見込み顧客?採用希望者?株主?
- 見込み顧客がターゲットとすると、検索エンジンで見つけてもらう必要があるよな…だとすると圧倒的に情報量が足りない…
などなど。一つ一つ対応し、依頼主と相談を重ねていくと、Webサイトの品質が上がる分、制作にかかる時間もどんどん延びていくものです。最初の見積金額が安い場合、上に羅列したような細かいことは気にせず作る、もしくは別途費用で対応となる可能性があるでしょう。
また、上の箇条書きの最後のほうは、「そもそもこのWebサイトの目的とは?」という大きな問いにぶつかっています。これがWebサイト制作に当たって非常に重要なポイントです。
Webサイトの目的には、ざっくり言って
- ブランディング強化(企業イメージ、信頼性)
- マーケティング強化(顧客獲得、お問い合わせ獲得)
- リクルーティング強化(採用活動)
があります。どれか一つが目的の場合もあれば全部の場合もありますし、それぞれさらに細分化もされます。例えば「株主向けのブランディング」、「リピーター向けのマーケティング」、「工学部出身者向けのリクルーティング」等。Webサイトは、作る前にまず目的を明確にしないと、どう作ればいいのかが制作側も分からないのです。
(「とりあえずWebサイトがあればいい」という要望の場合は、とにかく低価格でスピーディーに作るのが一番なわけですが、あまりそういうケースは多くありません。)
ここで、依頼主がぶつかるのが「目的を明確にするためのプロセス」、「目的を明確にした後それを達成するためのプロセス」です。「それって依頼主側で全部考えないといけないの…?」「そこからコンサルしてほしいんだけど…」と思う方も多いですよね。
ここで「金額の違い=対応してもらえる範囲の違い」という観点も重要になってきます。
対応してもらえる範囲の違い
制作会社といっても、上に書いたようなコンサルティング部分も得意としている会社、一応対応しているが苦手な会社、対応していない会社など様々です。コンサルティングが得意な会社であれば、「うちの会社のWebサイト、古いし全然活用していないから新しくしたいな…でも具体的にどうすれば良くなるのかはぼんやりして分からない…。」という段階で相談すると、ヒアリングを経て業界や他社分析、目的の明確化、施策の明確化をしてもらえることでしょう。また、経営層を巻き込みたいのであれば役員会議でのプレゼンに協力してもらえるなど、社内調整にもコミットしてくれたりします。また、Webサイト制作後の、運用や改善に関するサポートが手厚いかどうかにも違いがあるかもしれません。もちろん、寄り添って時間をかけてもらえる分、見積金額は高くなります。
※Webサイトリニューアルに伴う総務担当者のこのあたりのお悩みについては、弊社コラム「ホームページのリニューアルを成功させる制作サービスの考え方」もぜひお読みください。
ちなみに、手前味噌ではありますが、シアンスはコンサルティング部分、すなわち企画力・分析力・提案力・サポートが優れているとお客様からお褒めいただくことが多いです。実際のお客様の声を弊社コラムの「プロジェクト事例」で一部ご紹介していますのでぜひご覧ください。
ここで言及した他にも、金額差の原因として、セキュリティ対策・SEO対策・地域ごとの相場・その依頼内容が得意分野か不得意分野か・ブランド力といった様々な要素があると思いますが、本記事では割愛します。
Webサイト制作費用を安く抑える方法ってあるの?
「見積金額が安ければいいわけじゃないことは分かっているけど、それでもできるだけ安く抑えないと…」と当然思いますよね。Webサイト制作費用を安く抑える方法、いくつか簡単に書き出してみました。
自分で作る
Webサイトを自分で安く簡単に作るWebサービスやツールはたくさんあります。名刺代わりにとりあえず必要、自分で調べたり手を動かしたりする時間もある、という方がまず開設するにはいいかもしれません。
ただ、上に書いたような
- ブランディング強化(企業イメージ、信頼性)
- マーケティング強化(顧客獲得、お問い合わせ獲得)
- リクルーティング強化(採用活動)
のためにしっかり設計して作るとなると、専門知識やノウハウが絶対に必要になりますので、プロへの依頼をおすすめします。また、企業の場合、「Webサイトを作った担当者が退職して管理者が不在になってしまった、助けてほしい」というお問い合わせを頂く場合があります。Webサイトの管理・運営が属人的になってしまうという観点でも、長い目で見るとおすすめできません。
相見積で金額・内容比較
何社かに相談して提案してもらう(相見積を取る)という手もあります。提案内容と金額を比べて、一番コストパフォーマンスの良さそうな業者を選べるという点でメリットがあるでしょう。
このとき、見積明細が細かい業者もあれば、一式いくらという業者もあります。比較する場合には、金額だけでなく制作内容や対応範囲も比較できるように、見積で分からないことがあれば質問して確認しましょう。
(ちなみに、シアンスの見積明細は細かくて分かりづらいと時々言われます…)
このデメリットとしては、時間がかかるということです。3社なら3社それぞれからヒアリングを受け、提案を受け、比較し、比較してもよく分からずそれぞれに質問し…というプロセスが多くの場合発生します。ですので、信頼できる業者が既にいるのであれば、わざわざ相見積をせず継続して依頼する(その際に値引きをお願いする)のも一つの手ですね。
見積依頼時に予算感を伝える
シアンスのWebサイト制作の見積金額は幅広いです。数十万円のこともあれば、Webシステムや動画や取材撮影等を含め数百万円になることもあります。(シアンスの制作費用例はこちら)
もちろん、費用を掛けたほうがコンテンツ盛りだくさんの充実したWebサイトができるので、制作側としては気合を入れて良い提案をしたくなるものです。しかし、依頼主のやる気や予算に見合っていなければ無駄な提案になってしまいます。「最大でもこれくらいの金額の範囲で良い提案をしてほしい」とお伝えいただければ、お互いに効率良くベストな提案にたどり着けます。もちろん予算規模だけでなく、Webサイトの目的も合わせて伝える(or相談する)ことをお忘れなく。
テキスト・画像を自分で用意する
Webサイトに掲載する原稿や画像の用意は、非常に時間がかかる部分です。その部分を業者の力を借りずに自分で用意し、業者にはそれを入れる「ハコ」だけ作ってもらうイメージであれば、全て任せるよりも安価になるはずです。
ただ、テキストと画像はWebサイトのコンテンツそのものですので、あまりにクオリティが低くなるようであればおすすめしません。読んでほしい・見てほしい重要なコンテンツであるほど、良質な原稿と画像にする必要があります。時には取材して原稿を作成したり、プロカメラマンと一緒に撮影したりするのをおすすめしています。
ページ数を抑える
ページ数と見積金額が比例する業者が多いかと思います。少ない情報量のページをいたずらに量産するのはもったいないので、適切に情報を整理しページ構成を見直しましょう。(業者から提案されたページ数が多い場合は整理を相談しましょう。)
だからと言って、異なる内容を長い1ページにどんどん詰め込むのもおすすめできません。検索エンジン対策の観点でも、情報の探しやすさの観点でも、1ページに1トピックを適切にまとめるのがベストです。
リニューアルの記事移行を自力でやる
例えば、今までWebサイトで運用してきたニュースやブログを、新しいWebサイトに移したい場合。移行ツールが使える場合は、業者に任せてもそこまで大きくコストには影響しないと思いますが、ツールが使えない場合、移行作業を依頼するとその分の工数がかかります。残す記事・残さない記事の選別をしっかりし、なおかつ自分で移行すれば、その分見積金額も下がる場合が多いでしょう。
補助金を使う
省庁や自治体の補助金で、Webサイトに使えるものが結構あります。例えば、全国の商工会議所や商工会が交付している「小規模事業者持続化補助金」が有名ですが、この補助金の場合は対象経費の3分の2、上限50万円まで補助金が受け取れます(2023年度通常枠の場合)。
この小規模事業者持続化補助金は2024年5月現在は募集を停止していますが、その他に新潟県内の企業・団体が使える補助金をこちらのコラムにまとめましたので、チェックしてみてください。
なお、多くの補助金では、補助金申請前に着手していた事業の経費は対象外となります。業者への発注前に、担当窓口への相談や申請をしておきましょう。
いかがでしたでしょうか。Webサイト制作費用に関する皆様の疑問が少しでも解消されれば幸いです。
しかし、本記事はどうしても弊社(というか私)の独断と偏見が多分に入ってしまっていると思いますので、その点ご了承ください。
そして、「Webサイト制作を依頼したいけど予算がネックで…」とお悩みのご担当者様は、どうぞざっくばらんにご相談ください。
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